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2021.11.1歯牙接触癖(TCH)について
こんにちは!広島市中区紙屋町にあるセンターはる歯科の歯科医師 山北です。
日常生活の中で、上下の歯をかみしめていませんか?
歯のかみしめやくいしばりは、歯と顎の関節や筋肉に大きな負担をかけます。
東京医科歯科大准教授が2003年頃に顎関節症の患者さんにアンケートを行いそれに基づいた研究をしました。内容を要約すると、顎関節症の人を調査したら、「かみしめてないけど上下の歯が触れている」だけで顎の調子が悪くなっていた、という事が分かったんです。そしてTCHという言葉が提唱されたのが始まりです。
あなたの思っている「かみしめ、食いしばり」よりもっと気づかないくらいの「上下の歯の接触」が歯や顎に影響をおよぼす。それがTCHです。
歯の接触癖(TCH)とはどのような癖でしょうか?
顎が開きにくくなるくらいだから、ぐっとかみしめるような癖なのかな‥と思うかもしれませんが、実はそうではないのです。ただ、上下の歯が軽く接触している時間が通常より長いという本当に気付かないような癖なのです。
平常の安静時には上下の歯列間に1~2㎜の隙間があり、 上下の歯が接触するのは、物をかむ時と飲み込む時だけです(1日20分)。その時以外に上下の歯を接触させる癖を歯牙接触癖(Tooth Contact Habit 以下TCHとする)といいます。TCHがある場合は、その何倍も上下の歯の接触している時間が増えます。
日本人の70%の方が歯ぎしり、くいしばりを経験していて、多くの人が自覚していないことが分かってきました。
歯ぎしりによって詰め物がかけたり、すり減ったり、さらに歯に強い力が加わると、歯が割れたりすることもあります。また、健康な歯であっても、歯ぎしりによって歯が揺れたり、まっぷたつに割れたりすることもあり、歯を失う原因になることも多いのです。
歯や骨や顎、周囲組織にかかる力は、強い人で70kgを超えていると言われています。
このために、気づかない間に、それらに大きな負担がかかっているのです。
ブラキシズムが続いたことにより起こる症状
奥歯のすり減り、歯の欠け、知覚過敏症、かぶせ物脱離、歯の付け根の楔状欠損、義歯破折、歯の破折、歯周病の悪化、骨隆起、顎関節症、睡眠障害 etc.歯科医院で行うTCHへの対応
認知療法‥‥歯ぎしり、食いしばりなど意識付けによる日中のコントロール‥‥まずは意識することです。TCHがあっても自分はしてないと思っておられる方が大半です。根をつめて作業をしている時など実は歯を合わせていると思いますので、そのような時に上下の歯と歯を1~2mm離すなどしてリラックスして思い出すようにしましょう。
PCやテレビの横などいつも目に付く所に付箋を貼って忘れないようにするのも効果的です。
マウスピースを作成する…就寝中ブラキシズムをしていても、歯や歯周組織や顎関節への負担軽減してくれます。ただ、対処療法なので基本的には、意識付けが重要となってきます。
そして、ブラキシズムにより波及した症状が出れば、歯科治療が必要となります。
そうならない為にも、上下の歯と歯を離し、ぜひご自身で歯を守って下さい。