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2026.05.01. 見えないところで進行するむし歯「根面う蝕」ご存じですか?

皆さんこんにちは!広島市中区紙屋町にあるセンターはる歯科の歯科衛生士の山下です。
近年、日本は「歯を多く残せる時代」になりました。
とても素晴らしいことですが、その一方で新たに増えているむし歯があります。

それが、歯の根にできる根面う蝕です。

歯ぐきが下がることで起こりやすくなり、とくに高齢の方に多くみられます。しかし、正しい知識とケアがあれば、しっかり予防することができます。

今回は、歯科衛生士として日々の診療で感じていることを交えながら、根面う蝕についてわかりやすく解説します。

根面う蝕とは?

根面う蝕とは、歯の根の部分(歯根)にできるむし歯のことです。

通常、歯の表面はエナメル質という硬い組織で覆われていますが、歯ぐきが下がると、内側にある「象牙質(ぞうげしつ)」が露出します。

この象牙質はエナメル質よりもやわらかく、酸に弱いため、むし歯になりやすいという特徴があります。また、高齢になると歯の神経が細くなり、痛みを感じにくくなることがあります。そのため、根面う蝕が進行していても気づかないまま悪化し、歯が折れてしまうケースもみられます。

特に、歯と歯の間や歯ぐきのきわにプラーク(歯垢)がたまりやすく、そこから細菌が酸を出すことで、根の部分が溶けていきます。根面う蝕は進行が早く、気づいたときには大きく広がっていることも少なくありません。

根面う蝕は高齢者に起こりやすい!?

根面う蝕は、高齢者に多いむし歯です。その理由はいくつかあります。

まず、加齢とともに歯ぐきが下がりやすくなり、歯の根が露出することが増えるためです。また、唾液の分泌量が減少することも大きな要因です。唾液には、むし歯菌の働きを抑えたり、歯を修復(再石灰化)したりする大切な役割があります。加齢や服用しているお薬の影響によって口の中が乾燥しやすくなると、根面う蝕のリスクが高まります。

さらに、長年使ってきた歯には、詰め物や被せ物が入っていることも多く、その境目からむし歯が再発し、根の部分まで広がるケースもあります。

日本は超高齢社会を迎え、「歯を多く残している高齢者」が増えています。これはとても喜ばしいことですが、その一方で、根面う蝕の予防がこれまで以上に重要になっています。

根面う蝕を防ぐために大切な事

歯科衛生士として日々感じるのは、予防と早期発見が何よりも大切だということです。

まずは毎日のセルフケアです。
・やわらかめの歯ブラシで、歯ぐきのきわをやさしく丁寧に磨く。この時歯ブラシの毛先は歯に90度になるように向ける。
・フッ素入り歯みがき剤を使用する。(高濃度フッ素が効果的です)
・歯間ブラシやデンタルフロスを併用する。

特にフッ素は、やわらかい象牙質を強くし、根面う蝕の予防に非常に有効です。うがいは少量の水で1回にとどめることで、フッ素の効果を保ちやすくなります。また、大人用のフッ素ジェルを寝る前に活用することでより象牙質を強くすることが出来ます。この時フッ素を歯の根元の方(根面)につけるとより効果的です。

そして、定期的な歯科検診も欠かせません。

根面う蝕は見えにくい場所にできることが多いため、ご自身では気づきにくいのが特徴です。歯科医院でのプロフェッショナルケアやフッ素塗布によって、リスクを大きく下げることができます。

まとめ

根面う蝕は、歯ぐきが下がることで起こりやすくなる「大人のむし歯」です。特に高齢者の方に多くみられますが、正しいケアと定期管理によって十分に予防できます。

いつまでもご自身の歯で食事を楽しむために、今一度、毎日のケアを見直してみませんか?
私たち歯科衛生士が、皆さまのお口の健康をしっかりサポートいたします!