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2022.1.15 仮歯の役割

こんにちは。中区紙屋町にあるセンターはる歯科 歯科医師の堀です。

新年早々、コロナウィルスの急激な感染拡大が起こっていますが、皆さんは大丈夫でしょうか?

センターはる歯科では、徹底した感染対策のもとで治療を行っていますので安心してご来院ください。

今回は歯科治療のなかで被せ物の治療をした経験がある人なら、入れた憶えのある仮歯の役割についてお話させて頂きたいと思います。

歯科では仮歯のことをテンポラリークラウン(TEK)あるいはプロビジョナルレストレーションと呼びます。

材料や役割はほとんど同じですが、歯科では目的によって名前を使い分けしています

早速、仮歯の役割について書いていきます。

審美性の回復

主に前歯の被せを作る時、削ったままでおいておくわけにはいきません。本物の被せを入れるまでの間、口のなかの見た目を良くします。

歯質、歯髄の保護

歯はエナメル質という非常に硬い組織で守られていますが、歯を削ることでそれがなくなり、神経に近くエナメル質に比べて脆い象牙質やセメント質が露出します。そのままではしみたり、欠けたりするのでその保護をします。

かみ合わせの回復、改善、修正

主に奥歯の被せを作る時、削ったままでは噛むことができません。また、もともとのかみ合わせが悪い場合にはその修正や回復を仮歯でして、最終的な被せの参考にします。

歯の移動防止

歯はすき間を埋めようと移動することがあります。歯を削り、型取りをした後、すき間ができたところをそのままにすると隣の歯が動いて、被せがうまく入らないことがあるので、それを防止します。

歯肉の状態回復

被せの治療をする歯の歯肉は腫れていたり、痛かったり良くない状態のことが多いです。古い被せの形が悪かったり、段差にばい菌が詰まったりすると歯茎によくないので、適合の良い仮歯を入れることで歯肉の状態をよくします。

歯質切削量の確認

被せを入れるためにはすき間がないといけません。仮歯でそのすき間がしっかり確保されているかの確認に用います。

最終補綴物(本物の被せ)の参考

最終的な被せを仮歯で再現することで、形を検討したり、修正したりします。

清掃性の確認

被せが入れば終わりではありません。その歯をしっかり磨けるか、歯間ブラシ、フロスは通すことができるかなどを確認します。

実は仮歯にはこれだけの役割があったんです。ちなみに、

テンポラリークラウン(TEK)・・・見た目やかみ合わせなどを被せが入るまでの間に代用する目的で用いる。

プロビジョナルレストレーション・・・被せを想定し、その形の決定や歯茎の状態の回復など最終的な状態を作り上げる目的で用いる。

役割自体はどちらも同じですが、目的のために言葉を使い分けるイメージでよいかと思います。

なにげない仮歯一つをとってもこれだけの意味があります。今後、仮歯を入れることがあったら注目してみてもいいかもしれませんね。そして仮歯はあくまで「」のものなので、被せが入ったからと勘違いしてはいけません。最終的な被せが入るまで、しっかり治療には通いましょう!!!

疑問や質問があればぜひスタッフに聞いてみてください。